「情報戦を制するものがライバルを制す」パート1

森下 吉伸

こんにちは。森下です。

 

7月も下旬にさしかかった。
朝から騒がしく鳴き続ける蝉の声が、梅雨明けと同時に、本格的な猛暑の幕開けを知らせるかのようだ。

 

厳しい暑さに負けないように、体力づくりと体調管理には気をつけたいところである。

 

さて、前回は大手企業に対抗するための戦略についてお話ししたが、今回は横のライバル企業に対してどのような対策を打てばよいかについてお話したいと思う。

 

 

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ライバルが分からない戦術


どちらかというとライバルと「戦うな」というのが私の主張である。
よって「ライバルとどう戦うか?」はあまり話題にしない方だが、競合他社が気になる経営者も多いと思うので触れてみたい。

 

ただ、正面切ってバチバチに戦う方法はオススメしない。
時間もお金も使うし心身的によくないからだ。

 

むしろ、戦いは静かな方が良いのではないだろうか。
目立たない戦いである。

 

「なんであの会社は勝てるのだろう?」「なぜ、あんなにお客さんがくるんだろう?」とライバルが悩むような勝ち方を目指したい。

 

真似しにくい戦法でもあるからだ。

 

つまり、積極的に次々と仕掛けていくというより、 充分に準備をして、そっと仕掛ける。
あとは自動的に広がっていくのは待っているという戦術だ。

 

これは、時間が経つ事に成果がだんだん上がっていく。
やるのはメンテナンスぐらいである。

 

こちらがバンバン勝っていくというより、ライバルが勝手に負ける方向に動いてくれるようなイメージだ。
ただ、「スグに大成果が出る」というノウハウではない。

 

ある程度の時間が必要である。
しかし、ボディブローのように徐々に効いてくる戦いをどうすればいいのか?
そのヒントを今回は書きたいと思う。
 

 

 

ライバルの情報を知る


ライバルを知る

ここでいう戦いは情報戦である。
もし、ケンカを ふっかけてくるライバルがいるなら、必ずこちらの調査をしてくる。

 

こちらのチラシを入手するとか、イベント会場に偵察してくるとかがそうである。
帝国データーバンクや東京リサーチを使うこともあるだろう。

 

あらゆる面で分析をして、こちらを負かす戦略を立てようとしてくる。
それなら、こちらも同じことをやらなければならない。

 

どんな情報でも拾い集め、ライバルのことを詳しく知る作業が必要になる。
ただ、情報には表と裏がある

 

当たり前だが、ライバルは表に出ている情報をもとに戦ってくるだろう。
よって、表の情報をライバルにどう見せるかがポイントとなる。

 

それをうまく見せることができれば、表と違った内容で裏から攻めるという方法ができる。

 

例えば、安売りチラシをまいて、ライバルに「新規客へ安さで売る」という会社だと思い込ませる。
しかし、実際の戦略は「既存客に正当な価格で売っていく」のが方針であり、チラシは単なる名簿集めで、すぐには勝負をしないのだ。

 

この場合、ライバルは値段勝負だと、さらに値段を下げて売りに来るだろう。
そうすると、一時的に売上げは上がるだろうが、安値で勝負してくる会社は、そのうち自滅していくものである。

 

ライバルが潰れるまで静かに待っているといった戦術ができる。
この例は、極端だが情報戦の一例として理解していただきたい。

 

 

 

イミテーションゲーム


イミテーションゲーム

「イミテーションゲーム」という映画をご存じだろうか?
第2次世界大戦で英国の天才人暗号学者チューリングがドイツの暗号機「エリグマ」を解読したことで、英国は有利に勝利をおさめたという話である。

 

また、そのことで第2次世界大戦の終戦が早まったとも言われ、世界的な成功でもあったという話だ。

 

しかし、英国が行った戦略は、決して褒められたものではなかった。
なぜなら、チューリングが敵国機密を解読できたことを、英国は誰にも教えなかったからである。
自分たちの同胞にも伝えなかった。

 

そのために大きな犠牲を払ったからである。

 

詳しく言うと、チューリングが解読したことで「今度、敵は我らのどの船を攻撃するか?」ということも事前に分かっていた。
しかし、その船に事実を教えなかったのだ。

 

そして船は撃沈され、多くの同胞が死んでいった。

 

これは「褒めるどころか 犯罪ではないのか?」と思う人も多いだろう。
では、なぜ、英国はこういうことをしたのだろうか?

 

それは、ひとこと「勝つため」である

 

「敵国の作戦にこちらが気づいていない」「暗号は解読されていない」と思い込ませ、その隙に、相手の作戦を利用してこちらが勝てる攻撃を行うためだったのだ。

 

賛否は分かれるだろうが、確信的に犠牲を黙認したこの作戦も情報戦である。
こちらからの情報によって、敵を油断させてタイミングよく叩くことで英国は勝てたのである。

 

 

 

情報の非対称性


情報の非対称性

これは情報の非対称性を考えた戦略である。
非対称性とはどういうことか?

 

リフォーム業界で言うとこうなる。
リフォームは「売り手」(リフォーム会社)のみが専門知識と情報を有し「買い手」 (ユーザー)はそれを充分に知らない。

 

つまり、 双方で情報と知識の共有ができていない状態である。
こういった情報の非対称性があるとき、買い手は売り手に依存するしかないのである。

 

この考えがベースであり、英国は優位な立場になれたのである。
つまり、英国は敵の機密を知ったが、知らないふりをすることで敵と非対称の大きな情報量となった。

 

よって、英国は優位に立ち、敵は依存せざる得ない形となって英国の思うつぼになってしまったのだ。
このことは、こちらだけ情報を得て、相手は知らないという関係づくりが勝利の秘訣であることを物語っている。

 

また、このことで第2次世界大戦は驚異的に短縮された。
それは、2年とも4年とも言われている。

 

犠牲は払ったが、世界中の被害を最小限に抑えた功績は大きな勝利だといえるのだ。

 

次回は、今回の内容を元に、情報戦の活用例について触れたいと思う。
それでは。

 
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