効率よく手間をかける パート2

森下 吉伸

こんにちは。森下です。
 
2019年に入り、もう1月が経とうとしている。
「これを12回繰り返すと1年」と考えた時、皆さんは短いと思うだろうか、それとも長いと思うだろうか。

 
前回にひきつづき目標や目的に向かって、いかに効率よく手間を掛けるかについて話していきたい。

 

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ウォルマートの大改造


こんな情勢のなか、いま、ウォルマートが試みているのがネット融合の販売方法だ。
 
「ウォルマート・ピックアップ・グロッサリー」と呼ばれる新しい店舗は、店内立ち入り禁止で、事前にネット注文した商品をドライブスルー形式で買えるというもの。
子育て中の母親が、子どもをつれて大型店舗での買い物はつらいという希望に答えたらしい。
より、簡単でスピーディーな戦略ではある。
 
しかし、こういった試みが日本では、どこまで参考になるかは分からない。
なぜなら、これはまだ運送業界にて遅れているアメリカだからこそ通じる事である。
日本は宅配が進んでいる。
地域に特化した配達員が収集も配達も行い、きめ細やかである。
また、クール宅急便のように冷凍食品であってもすぐにお届けできる。
これならネットで予約して、わざわざ店舗に取りに行かなくともいい。
 
いずれにしても、これからは、店に出向くのではなく、家にデリバリーしてもらう、というスタイルが加速するだろう。
アマゾンをみていてもよく分かる。「アマゾンの一人勝ち」といったイメージが定着してきたからだ。
 
 

消費者の権利を忘れてはいけない


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しかし、これらの店舗の変化はあっても、うまく行くには前提があることを忘れてはいけない。
商品にはいつも「安全で安心」といった前提が必要なのだ。
 
1970年から続いたこれまでの流れにも、こういった前提があった。
その根拠になるのが、1960年代にケネディ大統領が提唱した考え方がある。

「消費者の権利は、①安全であること、②知らされていること、③選択できること、④意見を反映させること、以上4つある」というものだ。
当時、消費者の考えを、世界のどこよりも正確にとらえていたアメリカの大統領だからこそいえた言葉である。
そして、この考えが大型店舗となり、コンビニとなったのでる。
 
たしかに、この考え方は、新しい改革を与えた裏で、既存主義の商売人たちの反感もかったのは事実だ。
変化によって、つぶされていく古い商店にしてはたまったものではない。
犯罪につながったケースもあり試行錯誤によって受け継がれたものであったのは間違いない。
 
 

これからのリフォーム販売を考える


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さあ、ここまでのことを整理して、これからリフォームはどう考えればいいのか?ということになる。
考えてみてほしい。
 
いま、日本で簡単に買えるものはどんなものか?消費者の声に耳を傾けた商店づくりをした結果、いまの日本ではどうなっているのか?
たぶん、身のまわりで簡単に買えるものでは、いいものが少なくなったのではないか。
つまらないものばかりだ。まず、安さが優先されものが悪くなっている。
 
消費者の権利①安全が満たされていない状況であるといえる。
この部分を多くの消費者が求めているのである。
食料品業界を見てもそうだろう。
なにが安全で、だれのいうことが本当なのか。
そこが購買する基準になっているはずだ。
リフォームも同じになるだろう。
 
そして、いまの社内情勢をみると、景気がどんどんよくなるといった予測がつかない。
また、企業の生産拠点が世界に移行していることからして、日本の労働者の収入が増えないという予測がつく。
よって、貧富の格差は広がるだろうし、消費者のカテゴリーがわかれてくるだろう。
高度成長時代からこれまでは貧富の格差を縮め、世の中「総中流家庭」といったイメージで戦略は立てられたが、これからはもっとハッキリターゲットをわける時代がくるだろう。
 
よって、リフォーム業界でも、ますます、自社のターゲットがどういった人なのか?といったことを考えなくてはならない。
これまでのようにボリュームゾーンをねらえば、それ以上のゾーンも、それ以下も、適当につり上げられることができる世の中ではない。
 
上をねらうか、下をねらうか。
また、ボリュームゾーンをねらうとしても、こまかくカテゴリー分けをした、商品、価格、それ以外のサービスといった設定が必要となる。
大きくゾーンをとらえすぎると、戦わなければならない競合他社が多すぎて、粗利益のとりにくい現状を、さらに厳しくしてしまうからである。
 
 

メソッドよりセオリー


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こうなると、メソッドよりセオリーが大切になる。
いくらテクニックを駆使しても基本にはかなわない、といったことが大切になる時代にもどるのだ。
「生産する」ということを捨て、「販売する」ということに重きをおきはじめた日本であるからこそ、よけい言えるのだ。
 
リフォームであっても、売れるためには前提としてセオリーに従うのだ。
リフォームはものづくり業者なので、セオリーはキチンと建築できるかである。
建築の専門家であるので、法的に認められた建築、手抜きのない職人、管理者とて恥ずかしくない現場監督、といった安心で安全なプロとしての工事ができるか、が売れる前提となる。
そして、セオリーは「消費者はベネフィットを求めている」ということである。
つまり、消費者はわがままであり、自分のわがままな希望を叶えてくれる人から物を買おうとする気持ちはかわらないということである。
 
より簡単に、よりらくに。そして、よりストレスなく物が買え、早く手に入る。
こういった利点の次に「安心で安全」という観点が、今後は購買する動機になる。
だからこそ、この先も「縁故マーケティング」というのは重要なのである。
 
どれだけ、ストレスフリーな買い物方法を考えても、リフォームは請負業なので「物ではなく人」なのである。
買いやすさや商品のクオリティーではなく、だれから買うのが「安心で安全」なのか?ということが重要となるのだ。
それは企業が消費者から得られる信頼感となるのだ。
そして、この信頼感が差別化になる。
 
顔の見えないネットでのやりとりより、顔と顔とをあわせて話す泥臭いコミュニケーションがリピートを持続することになるのだ。
そこを工夫した企業こそが、その他大勢のリフォーム会社と異なる、自社の売上げを持続する安定した企業になっていくのである。
 
 

信頼のおける企業になる


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では、信頼感の高まる会社になるためにはどうすればいいのかというと、それは、手間をかけると言うことである。
簡単にスピーディーにといった流れとは、相反すると考えるかも知れないが、この二つのバランスをキチンととらえなければならない。
 
「消費者は簡単でらくに、生産者は丁寧に手間をかけて」簡単に言ってしまえばこういうことである。
しかしながら、多くの生産者は、自分たちも簡単でらくにやろうとする。
なので、たかが知れている結果になるのだ。
とくに、中小企業は効率を考える事が、必ずしもいいことではなくなる。
時間をかけることが我慢してできるかどうかが、勝敗を決めることになるのだ。
 
「物ではなく人だ」といった。本当にその通りである。
人との関係を深めるとか、人から信頼を得る為には、時間が必要である。
そして、たえまない関係作りが大切なのである。
 
もし、ここ数年を振り返って、社内の仕事の効率を上げる作業はいいとしても、顧客に対するサービスやメリットを省略しているとことがあれば、そこから戻さなくてはならない。
長年仕事をしていると、以前やっていたことを簡略する物である。それが、これからは命取りになるのである。
 
この手の話は、いつも伝えるので、聞き飽きたかもしれないが、とても大切であり、何度も聞かなければならないことである。
発行回数を減らしたニュースレター、訪問回数を減らしたアフター、枚数を減らしたサンキューレター、全くしなくなった年末年始の挨拶回り。
考えてみれば、いくつも出て来るはずである。丁寧さが勝てる時代である。ひとつずつ見直して欲しい。

 
 
 
 

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