効率化を考えない戦略 パート2

森下 吉伸

こんにちは。森下です。
 
 
第100回記念の甲子園は、非常に盛り上がりを見せていた。
 
 
球児達も全力でプレーしており、感動的な場面もいくつもあった。これからも夏の大イベントの1つとして楽しみにしていきたい。
 
 
さて、今回は前回に引き続き、「効率化を考えない戦略」について話していきたいと思う。
 
 
効率化を考えないとはどういった事なのか?具体的な例を交えて紹介していく。

 
効率化を考えない2_①

非効率化の教え

これまで、人類の進歩の一つに「効率化」というものが貢献した。
 
 
できるだけ時間を短縮し、手間がかからず、簡単にだれでもできるように、いろんなものが改良された。その大きな功績がパソコンであろう。
 
 
広告や告知、情報の共有は、過去の人類の歴史にみない、人類の思考を大きく進化させた。購買も、家の近くの店でしか買えなかった現実が、世界各国のどんな片田舎の店であろうと、ホームページがあれば買えるようになった。これはもう信じられない快挙であろう。
 
 
しかし、こういった効率の追求が、これからも必要だろうか?あまりにも効率を考えすぎて、失ってしまったことも多かったのではないか?もし、いいことまで失っているのなら、それは戻しておいた方がいい。それがライバル会社に勝てる方法だ。世の中に逆流して効率を目指さない戦略がそこにある。
 
 
たとえば、手間がかかりすぎる。丁寧すぎる。相手のことを考えすぎである。こういった非効率的なことを実践するのである。
 
 
こうすることで、かえって目立つだろう。また、効率化社会の弊害を感じている顧客に対して、好感をよぶ可能性があるからだ。
 
 
もっと身近な話題でいこう。たとえば、社内メールなどを見てもそう思う。社内のやりとりをメーリングリスト、チャットワーク、グーグル+などで行っている会社が多い。使い勝手が良く、できるだけ時間を有効につかえ、情報が共有できるように取り入れているのだろう。
 
 
これも効率がよくなるといいながら、逆に悪くなっている一面もある。お互いの情報をチャットにすることで、逆に真意が伝わらなくなったからである。余計なことを書かない、必要なことだけ書くのはいいが、もし、口頭で言うのなら臨場感や、言い方、また、その時の行動や仕草で相好理解できるが、活字だと分からない。これも、効率を考えた結果の弊害である。
 
 

ネットで集まる顧客たち


効率化を考えない2_②
効率化を象徴するものにパソコンがあるといった。これも弊害が出てきている。「ネットからくる顧客の質が悪くなる一方だ」という事にも関係している。
 
 
非常に簡単に入ってこられるが、素性を現さず、簡単に去ることもできる。売る方も買う方も、実に気軽なつきあいが一般的である。
 
 
たとえば、電話によって反応がある人や、来店によって反応がある人とくらべると、いい加減さがある。そういったことは、極端な質の悪さとして気にならないかもしれないが、裏切り、利用される、適当に扱われる、といったことに安易に移行する。
 
 
ネットでトラブルになるのは、粘着質でしつこい、過激な発言をくり返すなど、クレーマー的な内容が多いのが、その由縁であろう。また、いまは、顧客の対応によって営業マンなどに採点をつける悪趣味な会社やサイト管理者が多いが、そこで間違った評価にもなりかねない。
 
 
顧客が100名いても、質の悪い顧客の大声が1つあるだけでダメな会社に見える。メールなどは 苦情が書きやすいので些細なことでもクローズアップされてしまう。
 
 
口頭なら説明できることも、 ニュアンスのわからない活字だとどうしようもないのである。パソコンは、活字だけのやりとりである。
 
 
効率はいいかもしれないが、悪質な攻撃にはもろいのだ。すると、電話が見直されることになる。メールのやりとりより帰って時間がはやく解決する。だいたいメールでわめく人間は、実際には声一つあげられない、そういうことはよくあるからだ。
 
 

リフォーム業界は効率では戦えない


効率化を考えない2_③
リフォームは今後プロフィトプールになる。大勢の企業が注目し取り合いをする。
 
 
どの企業もコモディティ化し、おなじような事をやりはじめる。「これは画期的で、最先端なことだ」といきり立っても、すぐに、だれもがやりはじめる。
 
 
あなたの会社で、すぐにはじめられることは、どの会社もすぐにはじめることができる。 今後、効率化を促進させても、それは企業側の論理なので顧客には関係ない。
 
 
一生懸命売ることの体制は整えられても、売れるとも限らないのである。すると、こういったときのポイントは一つ。「いかに顧客を守るか?」が重要となる。
 
 
我々ができることは、だれでもできる。さっきそういった。だから、だれもができないことをやる。 これしかない。これは、よく言うので耳にタコができているだろう。
 
 
しかし、それを具体的にやる人はすくない。というより、だれもができないことが何なのかを気づかないのだ。
 
 
この参考になるのがアマゾン。
 
 
アマゾンの成功とは何か?それは ひと言でいって「赤字を出す」と言うことであった。もちろん、単なる赤字ではない、誰も儲からなくてやらない仕事をやる。
 
 
そのことで、最初に赤字を出す覚悟がある会社である。最初から利益が出ないといけないという発想は彼らにはない。
 
 
「そのことが、顧客のニーズを守ることだ」と考えれば躊躇なくやる。そこがすばらしい。あたりまえだが、その後、儲かっていく。そして、だれもがやらない業種となり、だれも参入できない業 界をつくっていくことにある。
 
 
この天才的なアマゾンの新しい販売方法をご存じか?聞いたところによると「本を勝手に送るというサービス」だという。勝手に送るというのは、文字通り、アマゾンが過去に買った本に関連する本を、そのカスタマーに勝手に送るというもの。
 
 
パッと聞くと、信じられないだろう。その本が必要なければ返品をアマゾン費用負担でしてもらうのだから。これは、当初、かなりの赤字になるだろう。
 
 
しかも、苦情やアマゾンに対する不信感 もあるかもしれない。ただ、反面、それが必要だと考える優良顧客のリストが作れる。それは新たな売上げ増加を生む。本当に、さすがとしか言いようがない。繰り返し本を買う顧客の「本を選ぶ」という煩わしさをどう払拭するか?それを、赤字から入ると、他の業者はマネできないのである。

 
 

大手のようなわけにはいかない


効率化を考えない2_④
このように顧客の欲求を考える、つまり、顧客を守る、といった行為がこれからのポイントとなる。
 
 
効率化の逆であり、世の中の逆をいく。アマゾンはさらなる効率化を目指している一面もあるが、非効率な方法でテストをくり返す。
 
 
ただ、こういったことは巨大な資本があればこそで、中小企業は無理だ。だったら、顧客を守る、という共通の観点はあっても、はっきり違う打ち出し方が必要となる。
 
 
これまでのように、集客をすることだけに神経を使うのではなく、もっと、これからは顧客の欲求を叶える活動をして欲しい。たしかに今でも、反響しやすいように広告はできている。
 
 
そして、相談がしやすいように、イベントがあり、相談する機会がある。欲求には答えているだろう。 しかし、それだけで終わってはいけない。
 
 
実際に、 そのあと顧客がどういう反応をし、思いを持っているかを研究しなければならない。そしてそれが、会社のメインの行動にならねばならない。ではどうするか?まずは、足元を固めないといけない。
 
 
たとえば、ニュースレター。毎日、毎日、顧客の家には、いろんな郵便物がやってくる。そこから、当社のニュースレターが読んでもらえる配慮が、本当にできているか。
 
 
また、メールマガジンとかなら、読んでもらえていない可能性は高くないか?また、それらの情報を知って反響してきた顧客へ、対応している方法はあっているのか?充分に反応してきた顧客に対して望まれている対応ができているか?もし、リフォームしたいなら、どんな初期対応が望まれるか?
 
 
また、どういった順番でリフォームを進めていきたいか?どういった資料がでて、決断できるのか。どういったアフターが望まれているか?何度もこれらの質問に答えなければならない。答えを出すことに鈍感になることは、これからの勝負に負けると言うことなのだ。
 
 

最後に


効率化を考えない2_⑤
いまは、モノを選ぶことが憂鬱である。さきほど、アマゾンの顧客でもそういった。
 
 
いま、モノはあふれかえっている。業者もあふれかえっている。 そして、これまでにたいていのものは手に入れている人が多い。一体これ以上、なにがほしいのだろうか?
 
 
昔はモノがあふれかえってなかった。なので、欲しいモノがいつもあった。欲求は強かったので、探すことを苦痛としなかった。しかし、 いまは探すことは苦痛である。しかも、選択肢は広がっている。ますます値段だけでなくなる。
 
 
モノがあふれるということは、いまは、無意識的なものが優先される。いくらだましていても、顧客は感じることができる。もう、信頼や安心感は、本物でなくては分からない。そして、もっと大切なのが、そういうことが分かる人を顧客にしないといけないともいえる。ネットの効率化で、実物がどうか分からなくとも、簡単だから買っちゃえ、という時代である。いいものを買いたい、という以前の日本の価値観は薄れている。
 
 
しかし、この先もそうだろうか?あいかわらず、郊外のイオンで、つまらない安物を休日のバカンス代わりに買うことが続くのだろうか?
 
 
もう大量消費の時代ではない。もう、食卓に足りないものはない。サラリーマンの給料が下がる時代、お金を使わない世の中になる。家のメンテナ ンスやリフォーム、また、家の購入は、安売りより、安心で信頼感のある業者に軍配はあがる。なにより、地元の業者だとそうだろう。手間をかけ、丁寧にすることは、信頼のおける業者がやることだ。今一度、ここに目を向けて欲しい。 

 

 

 

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